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2008年2月23日 (土)

カガリが抱える問題 その2

DESTINY序盤のカガリが、カガリらしさを失ってしまっていたその原因は何だったんだろう。

政治家としての力が無かったから?
代表首長としての実権が無かったから?
自分の意見が通らず首長たちの中で孤立していたから?

だから、すっかり自信を無くして自分を見失ってしまったのだろうか。
その辺のことを考えてみた。



少なくとも国内の復興問題については、首長会の中でカガリと他の首長たちとの意見が対立してカガリが孤立する、というような事は無かったのではないだろうか。

セイランが裏ですべてを牛耳っていたとしても、国を早く復興させようという点ではみんなの気持ちは一致していて、順調に対策を打っていくことが出来たのではないだろうか。
勿論カガリは(例え実権が無くとも)先頭に立って一生懸命頑張ったに違いない。

議長も言っていた。
「姫が代表となられてからは実に多くの問題も解決されて、私も盟友として大変嬉しく、また羨ましく思っております。」と。

国内問題に関しては、カガリの意見が通らないという事も、力の無さを嘆く事も殆どなかったのではないだろうか。
そう思う。

では、何が?

それは、国防、外交関連の問題ではないだろうか。
そして、何より世界がまた戦争の方向へと向かっていきそうになっている。
その流れを止めることが出来ない自分のふがいなさに、大西洋連邦からの圧力を跳ね除けることの出来ない無力さに胸を痛めていたのではないだろうか。

戦争になるのを止めたい。
だから、議長との会談にも臨んだ。

「強すぎる力はまた争いを呼ぶ」
これは、カガリが前の戦争の中で体験を通して学んだ事。
だから、議長に対してぶつけるその思いは本物だ。

しかし、一方では、議長が返した
「争いが無くならぬから力が必要なのです」という言葉を否定出来ない自分もいる。

 
前の戦争で、オーブの中立の理念を守るために、オノゴロを焼き多くの命を失ってしまった。
だから
「だが、力なくばそれは叶わない。それは姫とて、いや、姫のほうがよくお分かりでしょう。」と言う議長の言葉を認めざるを得ない。
反論する事が出来ない。
続く言葉には、本来ならばあるはずの、いつもの力強さが無くなってしまった。

それは、首長たちに対しても、シンに対しても同じではなかっただろうか。


怒りと憎しみだけで戦ってはダメだ。討っては討ち返し、また、憎しみの連鎖を繰り返す。
だから、(未来を私に託してくれたお父様のためにも)オーブの理念を守らなければならない。

しかし、
『また国を焼くのか』
『理念は守っても俺の家族は守ってくれなかった』(すいません、セリフを改ざん)

そう言われた事に対して、国民の命と安全を守るべき国の責任者として返す言葉がなかった。


カガリの思いを分かってくれるものは(アスラン以外には)無く、周りから反対されて、世界の平和より、理念より、まず自分の国を焼かない事が大事だろう、
そう言われて、頑張ろうという気持ちがポキッと折れてしまった、諦めてしまったのではないだろうか。

再び国を焼くわけにはいかない。マシマやシンに投げつけられた言葉がトラウマのようになって、同盟を結んだらオーブがどうなるのか
その先の事がカガリには見えなくなってしまっていたのではないだろうか。


その後、カガリはキラにさらわれ国を離れる。
同盟を結んだ事によってオーブ軍の兵士達が命を落としていくのを目の当たりにし、再び国を焼くという経験を通して、また、ウズミさんからの
『力はただ力。多くを望むのも愚かなれど、むやみに厭うのもまた愚か。守るための剣、今必要ならば、これをとれ。』
という言葉とアカツキをを貰って(支えてくれる人々からの愛情も貰って)
今まで悩んでいた事への答えが見つかった。そして、迷いが吹っ切れた。

だから、その後カガリは変った。
本来のカガリらしさを取り戻した。

キラにさらわれた後のカガリは、ずーっとAAの中にいた。その間に政治家としての技量が上がったわけでもないと思う。(身につけたといえば、ユウナに対して声色を変えるという技は身につけたけど(^ω^)
しかし、DESTINY終盤(48話)、世界の殆どが議長に従いデスティニープラン導入に向かう中、オーブに味方するのはスカンジナビアのみで首長会の中で孤立していたときと同じような状況下、それでも今度は怯むことなく、カガリは自分の信じる事を世界に向かって表明していた。

これはつまり、DESTINY序盤のカガリがダメダメだったのは、政治的手腕が未熟だったことよりも、むしろ迷いがあった事に因るところが大きいということなのではないだろうか。

同盟を結んだ事によって多くの軍人の命を失ったことは、カガリにとっては辛い経験であり、取り返しのつかない間違いを犯したと本人は思っているだろう。
政治家としては全然ダメだと言う人もいるだろう。
でも、一番重要な事は、これらの経験を通してカガリが本来の自分を取り戻すことができたという事だと思う。
これらはすべて、カガリにとっては必要な経験だった。トダカさん達の死は決して無駄ではなかった。そう思う。
そして、それはスペエディ4で新たに付け加えられていた
『でも、それじゃあ、願って、望んで、がんばることには、なんの意味もないと言うのか!?』 に繋がっていると思う。
意味があるということをカガリは知っている。

そして、結果的にセイラン一派を一掃することが出来た事は不幸中の幸いと言えるのではないだろうか。カガリは実権を取り戻す事ができた。
こんなどさくさでもなければ、平時にセイランから実権を取り戻すことは、そうそう簡単には出来ないと思う。

こうして改めて考えてみると
政治家としてのカガリの成長は、アスランと同じような道程をたどっていると思う。
カガリも『何とどう戦わなくちゃいけないのか』迷い悩んでその答えを見つけた、そういう気がする。



書き終えてみて、ちゃんと政治家視点で見る事が出来ているのか甚だ怪しいですが、一年前に『アスカガの恋愛視点』で記事を書いた時とかなり違った事を思っている自分がいることに、動揺しています。(^_^;)

そして、この記事を書きながら、無性に『焔の扉』が聴きたくなりました。
BRIDGEを引っ張り出してきて、ここ数日、車の中で聴いているのですが、久々に聴いて感動。どの曲を聴いても思い出すものがありますね。
あぁ、癒しだわ。。。

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コメント

カノンさんこんにちはv
政治家カガリと一個人(女性)としてのカガリ。
放送時はごちゃごちゃだったように思います。

今振り返ると、8話のカガリがおろおろアスランに気を使ってるのって・・・・もしかしてカガリらしくない行動?だったのかな、と。アスカガファン的にはおいしいシチュエーションなんですが(笑)
結構気持ちが以前より弱くて、某様がおっしゃられていたとおり、相互依存せざるを得ない状況へ追いやられてしまってたんだろうなあと。

よくよく考えると種時からたったの二年で急に大人になれるわけではないですものね・・・・。
でも、確かに終盤は二人の絡みは少なかったですがカガリは政治家として揺ぎ無い意思を勝ちとったと私も思います。ただ、その裏でアスランを自分から開放しようとしているところが見ていて辛いのですが・・・・その辺りを製作者サイドの方がどう描いてくれるのか期待するところではあります。

アスカガウェディングは夢ではありますけど、二人が独立した立場でしっかりと寄り添ってくれていればいいな、と考えが落ち着きつつあります。
カノンさんの考察、大好きです♪ありがとうございました。

投稿: はるた | 2008年2月27日 (水) 10時18分

はるたさん
こんにちは♪
コメントありがとうございます。
書き終えてみると、以前に書いたり思ったりした事と、かなり違った結果になった部分もあって、自分で書いておきながらショックを受けて落ち込んだりしてました。
でも、はるたさんのおかげで復活できました。(笑)

>今振り返ると、8話のカガリがおろおろアスランに気を使ってるのって・・・・
もしかしてカガリらしくない行動?だったのかな、と。アスカガファン的にはおいしいシチュエーションなんですが(笑)


カガリらしくないのかもしれませんけど、”アスランの前だけで普通の女の子になるカガリ”が可愛くって、私もその場面大好きですよ。(^。^)
DESTINY序盤はアスカガファン的においしいシチュがいくつもあったために、二人の絡みに萌えて喜んでしまって、カガリの悩み苦しみ、そして、悲しみの深さを他の登場人物だけでなく、私もちゃんと分かってあげられてなかったんだなって、今更ですがコメントいただいて改めてそう思いました。
たとえば、
5話の「お父様の事をあんな風に…」と言ってアスランに抱きついて泣くカガリですが、放送当時は、ウズミさんのことを悪く言われて、悔しくて悲しかったんだと思っていました。
でも、今振り返ってみると、それだけじゃなくて、ウズミさんが命を賭けてまで守りたかったものや、その事を他の人に伝えようと一生懸命カガリが訴えていることに対して
誰も分かってくれなくて、本当にアスランの存在だけが支えだったんだな、と。
そして、アスランの方も、そうやって泣くカガリに対して
『分かってくれと言ったところで、今の彼には分からない』
『仕方ない』
『それはどうにもできないんだ』(スペエディⅠのセリフ)
こういう慰め方しか出来なくて、何もしてやれなくて、本当に無力感でいっぱいだったんだろうと思います。
その結果、『政治家カガリ』を守るために何かしたいと思って起こした行動が『カガリ個人』をオーブに一人残していく、という事になってしまったんでしょうね。(T_T)
この辺りから、だんだんとアスランの歯車が狂っていってしまって「守りたいのに守れない」になってしまったのかなー、と。。。(T▽T)

>アスランを自分から開放しようとしているところが見ていて辛いのですが・・・・
そうですね。この場面は、カガリの気持ちを考えたらほんとに辛いです。
なので、あえて私は別の角度から見るようにしました。(笑)
この試練をしっかりと乗り越えて幸せになって欲しいし、頑張ってる姿を是非描いて欲しいと思ってます。


こちらこそ励みになります。ありがとうございました。
この後も、少しずつ色々な所を見返してみて、自分のアスカガ感も、もう一回組み立てなおしてみようかなと思っています。
では、次はアスランで。

投稿: カノン | 2008年3月 1日 (土) 08時46分

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